喪失感からの回復

8月30日(金)。今日は音楽雑誌・ロッキンオンJAPANの発売日。ここ最近でもここまで発売を待ち望んだものは思いつかないほど楽しみにしてました。それは掲載されている電気グルーヴのコラムコーナー「メロン牧場」に、あの事件以来はじめてピエール瀧が登場しているから。

ピエール瀧の逮捕から、自分が感じたのは何とも言えない喪失感。好きなミュージシャンの逝去などに寂しい想いをすることは今までにも何度かありました。けど、今回の件ではそれとはまったく違う、まるで人生のパートナーを失ったかのような気持ちを感じたんです。

思春期に観た深夜番組をきっかけに彼らの音楽とそれ以外の活動から多大な影響を受けて、その土台の上に現在があると言い切れる自分。電気グルーヴに価値観を変えられた人って少なくないと思うんですが、その結果、自分はネクタイを締める仕事には就けなくなり、今の職場で似たような人たちと世間から少しズレた立ち位置で楽しく生きてます。

そんな人生に導いてくれた存在の逮捕とバッシング、楽曲や出演作の出荷停止は、彼の居場所がごそっとなくなったように感じられ、亡くなるよりも大きな喪失感に繋がった。そう思うんです。

だからこそ、彼のパートナーである石野卓球がとてもありがたかった。ツイッターで彼なりのアプローチでピエール瀧に言及し、変に気を使うこともなく彼らしくあり続ける様子にはとても救われた思いでした。

そして、出勤途中で無事購入、勤務開始前に目的のページを開いた瞬間、ピエール瀧のメディアへの帰還に改めて救われたのでした。